Ultrasone Edition 15 Veritas 本体と付属3.5mmケーブル （長さ1.2m）のみの出品となります。全体的に


下記個人的の感想です：
新品価格が３５万なだけに、ヘッドホンの中では最高峰な類となります。その音は誰もがちょっとでも聞けば、凄さがすぐに伝わる...と言いたいところでしたが、いい意味で期待離れでした。最初の30分では「このヘッドホンどこがいいのか？」と疑ってしまうだが、聞けば聞くほどその良さが伝わり、気づいたら3時間も聞き入ってしまったのが自分の経験でした。Focal Utopiaや、Susvaraのような覇気に満ちた音とは真逆で、非常に親しみやすく、少しだけゴージャスな音です。昔のUltrasoneの音を知っている人からしては、これって本当にUltrasoneが作ったなのか？と疑ってしまうくらい丸くなっています。
またこの価格帯のヘッドホンにしてはとても珍しく、そこまで高品質ではないデジタルプレーヤー/アンプに繋いでも、心地よい音を出してくれます。家では高価な据え置きシステム、外出先や出張先ではiphone+ポータブルアンプみたいな使い方ができます。Ｕｔｏｐｉａ、ＨＤ８００、Ｔ１、TH900、D9200、Z1rなど他メーカーのフラグシップモデルでは、iphone+ポタアンで全く聞ける音になってません。また音質がそこまで良くない録音（特にJ-popにそういうのが多い）に対しても寛容的です。ほかのヘッドホンでは耳に刺さるような音の「棘」も、Edition 15 Veritasでは気にしなくなります。

自分の考えとして、このヘッドホンはあえて今どきの音作りと逆走し、Ultrasone独自の世界観いたどり着いたと思えます。自分が感じた特徴は下記書きだします：高音の延びが保守的ではあるが、ちゃんと箔が付いている：
今どきのほとんどのヘッドホンは高音の延びを強調し、開放感を出してるが、このEdition 15 Veritasは音の全体感を重視し、あえてそこを抑えています。またBeyer T1のようなメタリックな刺激的な高音でもなければHD650のように暗くもなく、バニラアイスに金箔を少々かけたような、ニュートラルでありながら高級感を出している音です。

横幅だけを追求しない独自のＳ－ｌｏｇｉｃサウンドステージ：
同じ密閉型のDenon D9200やTH900と比べて、サウンドステージの横幅がそこまで広くない。しかし不思議なことに、音が全くわちゃわちゃしない。程よく整頓されており、いくら荷物を突っ込んでも置く場所が見つかるワンルームのような感覚です。ブルックナー交響曲第9番の中に、音のスケールがどんどん大きくなる場面があり、「さすがにもう入らないだろう」と思っても、新しい楽器が演奏に加わる度にその音を適切な場所に配置してくれます。どんなにスケールが大きくなっても濁りません。Ultrasoneの謳っているS-logicは単なる宣伝文句ではないようです。

むやみに人工的な高解像度を追求せず、程よく音をぼやかしている：
良く解像度の高いヘッドホンをレビューするとき、「楽器の数を数えれる」というが、リアルな演奏を聞いたことがある人なら分かると思いますー楽器の数なんて数えれません。音（特に弦楽器）は点の集まりではなく、薄い霧のようにステージを漂う感覚です。その点むしろEdition 15 Veritasの方が、生演奏を聴いている感覚に近いです。以上、ご参考になればと思います。